小さめなフォームファクタで激安で人気のボード。通称BluePill。
STM32F103C8T6が搭載されている。
CPU:72MHz
Flash:64kB
RAM:20kB
というのが本来のスペックだけど、最近のはFlashが128kB搭載でほぼ間違いないようです。STM32F103CBT6相当ということですね。
他のMCUとかでも同様なことがあるので、コストダウンのためマスクを共用してるのではないかという説もあります。

USBのPullUp抵抗が10kΩなので環境によっては期待した動作にならない場合があるそうです。
僕の環境では問題は無いけど、1.5kΩに変えてみた。書き込みが早くなったような気がするけど、ちゃんと比べていないけど多分違いはない。
10KΩでもそれほどシビアではないと思うので、使っていて問題がなければ交換の必要は無いでしょう。Arduino化するときのBootloaderのインストール時に問題とされる場合もあるけど、ほとんどは手順やドライバーの認識のさせかたに問題があるように思います。

これをArduino として使うために購入。情報はこのあたり。
http://wiki.stm32duino.com/index.php?title=Blue_Pill

製造元サイト
http://www.vcc-gnd.com/
ドメインがいかしてる!

公式ストアによる紹介
https://item.taobao.com/item.htm?spm=a1z10.1-c.w4004-9679183684.4.5fJu41&id=22097803050

たまにこのボードはmaple miniのパクリみたいなこと言われる場合がありますが、パクリではないと思われます。まずパクるなら回路は同じにするはずだけど違います。むしろvcc-gnd.comの他のボードと同じ傾向の回路です。中国は古くからSTM32関係が使われていたようで、元々は国内向けのSTM32ネイティブな開発環境での利用想定の開発ボードで、たまたまフォームファクタが似ているというだけでしょう。フォームファクタ的にはArduino Nanoとかから影響を受けているかもしれませんが、vcc-gndのボードはそもそも小さめにまとめようという傾向があるので、その線も薄いかも。

2種類出回るBlue Pill

出回っているBlue Pillの写真を見ると大まかに2種類くらいあるようです。ぱっと見では気が付きにくいかもしれないけど、よく見ればかなり違う。そこで入手してみたのが下記の写真。右側は本家vcc-gnd.com版と思われるもの。左側がよくわからないもの。

改めて公式ストアを覗いてみるとコピー品についての警告が。おそらく左側はコピー品かもしれない。またわざわざ警告を出してきたということは右側のバージョンであってもコピー品かもしれない…。よくよく調べてみると本家は裏側にvcc-gnd.comとシルクが入っているようで、僕が持ってる右側バージョンには入ってない! ってことはこれもコピー品? AliExpressでvcc-gnd.comとシルク入ってそうなものをいくつか買ってみたけど、どれも入っていませんでした。ただ右側パターンでも2種類くらいありそうです。基板の厚さが違う場合もあり、薄いのは基板上に「K」とか余計なシルクが入っているようです。
もしかしたら直営店じゃないと本物は変えないのだろうか….

ちなみに基板が薄いタイプで一枚動作しないものがありました。bootloaderの書き込みはできるけど起動しない。STLINKからの書き込みはできるけど、USBシリアルとしてちゃんと認識しない…。STLINKからの書き込みではクリスタルで動作ないようなのでクリスタルかと思ったけど交換してもダメ。MCUそのものがダメなようでした(同じ症状で使えなかったという例もありました。)

とりあえず写真の2種類のデザインですが、おそらく左側は旧デザインのコピーではないかと思います。

  • USBコネクタがより強固なものに変更されている。
  • ジャンパー、リセットボタンの位置が変更されている。
  • リセットボタンは本家の方が安定している。左側は2箇所の表面実装なので何度か押しているうちに剥がれそう。
  • シルクが左側の方が汚い。(ST-LINK端子のピンアサインが裏側にもあるのは良い)
  • 裏側のパーツレイアウトが違う(おそらく若干回路が違う。)

という感じなんで、左側は右側の改善版なのかなと。本家の写真をみると右側のバージョンです。
ちなみに価格は左側も右側もあまり変わらないというか結構バラバラ。最安値で比べると左側が少し安い。そもそもが安いので微妙なところですが。

ただ、オススメはRobotDyn製の互換品です。

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