以前、秋月のLPC11U35ボードを使ってLPC1114をmbed化したが、今回はLPC1768(Cortex-M3)搭載の Exploler-M3 をmbed化してみる。やり方はLPC1114と同じ。接続が少し違うくらい。macOSでしか試してませんが、Winでも同等な方法で可能だと思います。なお、Explorer-M3は元々Arduino化されており専用のbootloaderがインストールされています。mbed化するとそれは消えてしまうので戻し方についても記載しておきます。



LPC1768ターゲットのLPC11U35用のDAPLinkファームウェア

DAPLinkのGithubページ(https://github.com/ARMmbed/DAPLinkReleaseページから0244_release_package_392f85aa.zip(この記事を書いたときの最新)をダウンロード。
中の”0244_lpc11u35_archpro_0x0000.bin”というファイルが今回使うファームウェア。これはSeeed StudioのArch Pro というボード用のものだけどこれでOK。
これをLPC11U35に書き込む。方法は前回と一緒なので割愛。正しく書き込めればドライブ名がmbedと見えるようになる。

LPC11U35ボードとExplorer-M3の接続

接続図は以下。前回と似た感じ。ターゲットであるExplore-M3の向きは前回と変えた、こうすればUSB端子を生かしやすいという理由。Reset用のタクトスイッチは無い。これはExplorer-M3のResetスイッチが使えるため。接続線も一本多い。SWD端子も使っている。

LPC11U35ボードの端子はこんな感じ。

ちなみに、Exploer-M3をmbed化するとbootloaderが消えてしまうのでArduino IDEから直接書き込めなくなります。mbed化されてるので、binで書き出して、mbedドライブに入れてやればArduinoとしても使えることになります。シリアルポートも使えるのでそれほど支障は無いでしょう。まあでも、いつでも戻せるようにもしておきたいですよね。

Explorer-Mにboorloaderをインストールして再Arduino化

戻すのは簡単。
Explorer−M3のArduinoコアは当然インストールされているはずで、そこにArduino化に必要なbootloaderが入っています。STM32F103ボード用のbootloaderと同様なものです。具体的な場所はこちら。

~/Library/Arduino15/packages/ExploreM3hardware/Explore-M3/1.0.0/firmwares/ExploreM3_DFU_Bootloader.hex

同じものは、Exploer-M3のGithub(https://github.com/ExploreEmbedded/Explore-M3)内のhttps://github.com/ExploreEmbedded/Explore-M3/tree/master/Explore-M3/firmwaresにもあります。

これをmbed化したExplorer-M3のmbedフォルダに入れてやれば良いのですが、HEX形式なためこのままでは使えないので、mbedで使えるbin形式に変換してやります。変換ツールも実は既にインストール済みです。

~/Library/Arduino15/packages/ExploreM3/tools/arm-none-eabi-gcc/4.8.3-2014q1/bin/arm-none-eabi-objcopy

を使います。まず、”arm-none-eabi-objcopy”と同じ場所に”ExploreM3_DFU_Bootloader.hex”をコピーしておきます。
そして、ターミナルでこんな感じ。

cd ~/Library/Arduino15/packages/ExploreM3/tools/arm-none-eabi-gcc/4.8.3-2014q1/bin/
./arm-none-eabi-objcopy -I ihex -O binary ExploreM3_DFU_Bootloader.hex ExploreM3_DFU_Bootloader.bin

これで、”ExploreM3_DFU_Bootloader.hex”と同じ場所に、”ExploreM3_DFU_Bootloader.bin”が作成されます。これをmbedフォルダに入れればExplorer-M3にbootloaderがインストールされるので、Explorer-M3単体でArduino化して利用できます。
ぶっちゃけこの方が使いやすいと思いますが。それなりな標準的なmbedボードが欲しいという場合は、この方法も有りかもしれません。

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